第八回 長唄 伝承曲の研究会
おはようございます。
昨日、紀尾井ホールにて
「第八回 長唄伝承曲の研究会」
に出演させていただきました。
この演奏会は稀曲と呼ばれるジャンルの曲を研究し演奏するという主旨の演奏会です。
稀曲と呼ばれる、同時代に大流行してしまった曲が他にあったなどの理由で埋もれてしまった名曲を、数少ない譜面や音源資料を基に現代に蘇らせて世に広める、難しいけど勉強になる大変意味のある演奏会です。
今回「しのぶ売り みるめの汐汲」にてワキを、「虚無僧」にてトメを勤めさせていただきました。
「しのぶ売り みるめの汐汲」
今回は「しのぶ売り」と「みるめの汐汲」の二曲を一つの曲として演奏いたしました。
この二曲はそれぞれが5、6分と長唄としては大変短い曲で日本舞踊の初心者の曲として使用され伝承されてきた曲です。ただ日本舞踊の初心者の曲として伝承されてきたために演奏会で演奏される機会は少なく、今後この二曲が伝承される上で今回の演奏は重要なものになってくれればと思います。
「虚無僧」
明和七年(1770年)市村座「其容形七枚起請(そのすがたしちまいきしょう)」の曲で「こも僧」と「文七清川」を合わせた曲となっています。
頂戴した「虚無僧」の音源資料は祖父 二世杵屋寒玉(三味線)と曽祖父 十四世杵屋六左衛門(唄)によるもので、初めて音源を聞いた時から思い入れのある曲となりました。なるべく十四世六左衛門の唄の節を真似たつもりですが、やはり曽祖父の作り出す雰囲気はまだまだ再現できるものではありませんね。
演奏として皆様にお聞かせることの難しさ、自分の未熟さを痛感するものとなり、もっともっと精進せねばと改めて思える演奏会でした。
正則
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